アート

【1枚の絵画紹介】エドワード・ホッパー『自動販売機』

本日紹介する絵画はこちら。

《エドワード・ホッパー 『自動販売機』 1927年 油彩 アイオワ・デ・モイン・アートセンター》

 

この1枚の絵を見て、どんな印象を受けるでしょうか?

カフェで女性がお茶をしている、何気ないひと時のようです。

 

作者のエドワード・ホッパーは、何かをかすかに暗示することが得意な画家です。

感情の抑圧、絶望感、緊張感・・・。

ホッパーは物の表面だけしか描いていないように見えるかもしれませんが、その下にあるものに意味をもたせています。

自動販売機食堂(注1)の暗く大きな窓には、外側の景色は見えずただ内側の照明だけが映し出されています。

この室内の様子は、ここに登場する女性の内的な世界にもあてはまるでしょう。

彼女の考えや夢は、まさに内側の照明が窓に映し出されたもののように、空虚な状態のようです。

 

注1:自動販売機食堂とは、1902~1991年頃にアメリカに存在した、自動販売機を利用したレストラン。

参考文献  :  ヴィーラントシュミート(2009)『エドワード・ホッパー アメリカの肖像』(岩波アート・ライブラリー)光山靖子訳,岩波書店