アート

【レポート】『クリムト展 ウィーンと日本1900』行ってきました@東京都美術館

東京都美術館で開催されている、『クリムト展 ウィーンと日本1900』に行ってきました!

実際に行った時の感想・印象的だった作品・混雑状況など、参考になれば嬉しいです。

その後、7月23日(火)~10月14日(月・祝)まで愛知県の豊田市美術館へ巡回します。

展覧会について

《ユディトⅠ》グスタフ・クリムト 1901年 油彩、カンヴァス 84×42cm ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館© Belvedere, Vienna, Photo : Johannes Stoll

19世紀ウィーンを代表する画家である、グスタフ・クリムト(1862~1918)の没後100年を記念する展覧会です。

クリムト作品は貸し出しが困難なため、東京ではなんと約30年ぶりの展覧会です。
さらに、日本では過去最多となる25点もの油彩画を一度に見られる展示になっています。

また、ウィーンの分離派会館を飾る壁画は、再現展示ではありますがべートーヴェンの音楽とともに作品を味わえる圧巻の空間です。

他にも、クリムトに関連する同時代の画家の作品や、影響を受けた日本の美術品も合わせて、クリムトの魅力を紹介する展覧会です。

展示構成

クリムトによるスケッチ、油彩、ポスターや、クリムトに関連する作品や写真も合わせ全部で約120点の作品から展示構成されています。

☆第1章 クリムトとその家族 (9作品)
☆第2章 修業時代と劇場装飾 (21作品)
☆第3章 私生活 (10作品)
☆第4章 ウィーンと日本 1900 (17作品)
☆第5章 ウィーン分離派 (17作品)
☆第6章 風景画 (8作品)
☆第7章 肖像画 (9作品)
☆第8章 生命の円環 (16作品)

印象的なエピソードと作品

☆印象的だったエピソード

・父が金彫刻師、7人兄弟の第2子。
・生涯結婚はしなかったが多くのモデルと愛人関係にあり、子供もたくさんいた。
・愛人の中でも存在感のあったのは、弟の妻の姉であるエミーリエ・フレーゲ。死の間際にも、「エミーリエを呼んでくれ」と言ったほど。

クリムトとエミーリエ

・アトリエには常に裸の女性が何人も待機しており、クリムトがウインクしたらそのまま静止してモデルをつとめた。
・興味がないため、自画像はかかない。興味があるのは他人で特に女性、そして猫。
・弟エルンストと、友人フランツ・マッチュとともに芸術家商会を立ち上げる
・在学中からその才能を高く評価され、大邸宅の天井画を依頼されるなど、若くして成功を収めた
・1892年に父と弟のエルンストが死去
・1894年にウイーン大学大講堂の天井画を依頼されて制作する*が、その絵が大論争を巻きおこして大変な目にあった。(*『哲学』『医学』『法学』の3部作)

 

☆印象的だった作品

・赤子(ゆりかご)

《赤子(ゆりかご)》グスタフ・クリムト 1917/1918年 油彩、カンヴァス 110.9×110.4cm
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
National Gallery of Art, Washington,
Gift of Otto and Franciska Kallir with the help of the Carol and Edwin Gaines Fullinwider Fund, 1978.41.1

積み重ねられた布が画面の大半を構成し、ピラミッド型の頂点にいる赤子に視線を誘導されます。

布の模様は、日本の着物に着想を得たとも考えられています。

 

・ベートーヴェン・フリーズ(壁画再現)

美術手帖より、展示風景、グスタフ・クリムト《ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)》(1984)

ウィーン分離派会館を飾る壁画を原寸大で複製し、空間を再現。

クリムトが40歳の時に手がけた大作で、ベートヴェンの交響曲第9番に着想を得ました。

騎士が幸福を求めて敵に向かい、楽園にたどり着くまでの物語が、空間の右側から左に向かって絵巻物のように展開していきます。

 

・鬼火

Ghost Lights
1903 52x59cm oil/canvas
Private Collection

女性たちは鬼火の擬人化だそうです。

 

・アッター湖畔のカンマー城Ⅲ

《アッター湖畔のカンマー城III》グスタフ・クリムト
1909/1910年 油彩、カンヴァス 110×110cm
ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館
© Belvedere, Vienna, Photo : Johannes Stoll

クリムトが繰り返し描いた、オーストリアのアッター湖とカンマー城の景観。

 

・丘の見える庭の風景

《丘の見える庭の風景》グスタフ・クリムト
1916年 油彩、カンヴァス 100×100 cm
カム・コレクション財団(ツーク美術館)
Kunsthaus Zug, Stiftung Sammlung Kamm

ゴッホに影響を受けたと言われています。

 

・オイゲニア・プリマフェージの肖像

《オイゲニア・プリマフェージの肖像》グスタフ・クリムト
1913/1914年 油彩、カンヴァス 140×85cm
豊田市美術館

クリムトの後期肖像画の特徴を示す重要な作品です。

 

・女の三世代

《女の三世代》グスタフ・クリムト 1905年 油彩、カンヴァス 171×171 cm
ローマ国立近代美術館
Roma, Galleria Nazionale d’Arte Moderna e Contemporanea. Su concessione del Ministero per i Beni e le Attività Culturali

幼年期、若年期、老齢期と、女性の人生の三段階を描き、生と死を表現しています。

 

混雑具合・所要時間

これから行かれる方の参考までに、実際の混雑具合と所要時間を記しておきます。

筆者が実際に行ったとき(平日14時頃)は、

・混雑具合       ☆☆☆★★ まあまあの混雑度
・入場待ち時間     なし
・チケット購入待ち時間 1~2分
・所要時間       1時間半~2時間程度

入場の待ち時間はなくスムーズに入場ができました。
音声ガイドもすぐに借りられました。

展示室内は混み合っており、音声ガイドのある作品は特に人だかりになっていました。
メインとなるような作品は、一番前で鑑賞するには列のない順番待ちができており、見終わった人は人だかりを抜けてゆくのに苦労していました。

作品前には沢山人がいますが、展示室内の移動はスムーズにできました。
ゆったり鑑賞という雰囲気ではありませんが、少し待てば見たい作品はちゃんと見られました。

 

☆クリムト展公式Twitterでも混雑状況が確認できます↓

https://mobile.twitter.com/klimt2019

 

☆Twitterより、混雑状況をざっくりまとめました

入場待ち時間は
平日:10~30分程度
休日:20~60分程度

チケット購入待ち時間は
平日:5~10分程度
休日:5~10分程度

参考程度になさってください。

*休日の10時頃が待ち時間が一番長いようです。
*16時以降、特に夜間開室日の16時以降は混雑が少なく、ねらい目です。
*会期の終了間近は特に混雑が予想されます。
*毎月第3水曜日はシルバーデーで混雑が予想されます。

感想

 

クリムトが、装飾を絵画上に独自に発展させ、個性的な画風に至った軌跡がよくわかりました。

アトリエがハーレム状態だったエピソードには驚きましたが、そんな環境から女性の官能的な美しさが絵画にできたのでしょう。

また、あまり知らなかった風景画も今回見ることができ、風景画も面白い画家だったんだなと発見でした。

ちょっと意外だったのですが、展覧会中に他の鑑賞者の方が「マイナーな画家だけど面白かったね」と言っているのが聞こえてきました。

その方にとっては、モネやゴッホ、ピカソやムンクなどが「メジャー」な画家だという認識だったようです。

私の知り合いにも「クリムト」でピンとこない人が多くいて、日本では展覧会が今まで少なかったことがひとつの要因かもしれないなと思いました。

この展覧会で、クリムトの日本での知名度ももっと高まるといいですね。

 

展覧会情報

音声ガイドあり(550円)
ゲストナレーター:稲垣吾郎
ナレーター:藤村紀子

東京会場

[展覧会名] クリムト展 ウィーンと日本 1900
[会 期] 2019年4月23日(火)〜 7月10日(水)
[休室日] 5月7日(火)、20日(月)、27日(月)、
6月3日(月)、17日(月)、7月1日(月)
[開室時間] 午前9時30分~午後5時30分
※金曜日は午後8時まで(入室は閉室の30分前まで)
※7月4日(木)、6日(土)は特別夜間開室のため
午後8時まで(入室は閉室の30分前まで)
[会 場] 東京都美術館 企画展示室
〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
[主 催] 東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、
朝日新聞社、TBS、
ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館
[後 援] オーストリア大使館 /
[協 賛] ショップチャンネル、セコム、損保ジャパン日本興亜、
大日本印刷、竹中工務店、トヨタ自動車、三菱商事、
パナソニック、みずほ銀行
[協 力] 全日本空輸
[お問い合わせ] 03-5777-8600(ハローダイヤル)

観覧料(東京会場) ※価格はすべて税込み。

当日 前売 ・ 団体
一般 1,600円 1,400円
大学生・専門学校生 1,300円 1,100円
高校生 800円 600円
65歳以上 1,000円 800円

 

 

 

豊田会場

[展覧会名] クリムト展 ウィーンと日本 1900
[会 期] 2019年7月23日(火)〜 10月14日(月・祝)
[休館日] 月曜日
ただし8月12日、9月16日、9月23日、10月14日は開館。
[開館時間] 午前10時~午後5時30分
(入場は午後5時まで)
[会 場] 豊田市美術館
〒471-0034  愛知県豊田市小坂本町8-5-1
[主 催] 豊田市美術館、朝日新聞社、中京テレビ放送、
ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館
[後 援] オーストリア大使館 /
[協 賛] ショップチャンネル、セコム、損保ジャパン日本興亜、
大日本印刷、竹中工務店、トヨタ自動車、三菱商事、
トヨタすまいるライフ
[協 力] 全日本空輸
[お問い合わせ] 電話: (0565)34-6748  FAX:(0565)36-5103
e-mail : bijutsukan@city.toyota.aichi.jp

観覧料(豊田会場) ※価格はすべて税込み。

当日 前売 ・ 団体
一般 1,600円 1,400円
大学生 1,300円 1,100円
※あいちトリエンナーレとのセット券もあります。
クリムト展  公式ホームページ