大阪市立自然史博物館にて開催中の、
『特別展 昆虫』
に行ってきました!

子供も大人も楽しんで学べる、とても面白い展覧会でした。
お母さんお父さんの方が楽しそうにしていることも。
もうすぐ展示期間終了なのですが、オススメの展覧会ですので都合が合えば是非。
このページでは、展覧会の様子・感想・混雑状況・所要時間などお伝えしていきます。

ちなみに昆虫展チケットで、常設展もご覧になれます。
常設展も楽しいので、時間があれば是非!

常設展には、こーんな恐竜の骨格標本や・・・
昆虫もたくさんいましたよ。
目次
展覧会主旨

「知る!学ぶ!採る!」
昨年の夏、東京の国立科学博物館で話題になった『特別展 昆虫』が、大阪にもめでたくやってきま した。
世界の希少な標本の展示をはじめ、驚きの昆虫の能力や、正しい昆虫採集の仕方なども紹介します。 東京展と一部異なり、関西の昆虫の展示があります。
展示構成

展示は5章から構成されています。( 章の説明は筆者が勝手につけています )
第1章 昆虫とは・・・昆虫はどんな生き物?いつ頃誕生したの?
第2章 昆虫の多様性・・・色んな環境によって色んな昆虫がいます
第3章 昆虫の生態・・・昆虫のくらしはどんな感じ?
第4章 昆虫の能力・・・昆虫の身体能力
第5章 昆虫研究室・・・採集、標本、コレクション、観察、研究の方法は?
こんな事を、資料や展示から学んでいける内容になっています!
次で詳しい内容に触れていきます。
展示内容・みどころ
展示内容をピックアップしてご紹介します。
第1章 昆虫とは
1-1 昆虫の身体


2mを超える巨大な昆虫模型が入り口すぐに!
1-2 昆虫の歴史

4・1億年前から昆虫は存在していたんですね。
第2章 昆虫の多様性
2-1 多様性の3つのレベル
昆虫には生態系、種、遺伝による多様性があります。
2-2 さまざまな環境に住む昆虫

関西周辺・沖縄・Amazon地域に分けて、その地域の昆虫たちが展示されています。
日本のように四季がはっきりしていると冬を越せない昆虫はいなくなるので、
北に向かうほど昆虫の種類は少なくなります。
2-3 特徴のある昆虫
・すごい形の昆虫



ツノゼミはとても不思議な形のツノをもっています。
このツノが何のためにあるのかは、まだわかっていません。
・美しい昆虫


キラキラです
※この辺りにGの部屋もありました

近くで写真に収められませんでした、ごめんなさい・・
第3章 昆虫の生態
3-1 昆虫の生態
昆虫の生きる目的は、「子孫を残すこと」が大きなものです。
そのために、「食べる」・「住む」・「たたかう」・「まもる」・「増やす」
・・・などなど、涙ぐましいほどの工夫をこらしているのです。
・「食べる」・・かむ、吸う、舐める
・「住む」・・タマバチはコブを作ります。花や実に見えます。


タマバチは、成虫が植物の芽や葉に卵を産み付け、その部分を虫こぶへと作り変えます。
卵から生まれた幼虫は、虫こぶを食べながら成虫へ羽化するまでをそこで過ごします。
虫こぶの形はタマバチの種類により異なります。
・「たたかう」・・ミツバチ vs スズメバチ ふとん虫作戦!
ミツバチが集まって巣に侵入したスズメバチを覆い、48度に温度をあげて殺します。


オオアメンボの縄張り争いは、前足を伸ばした幅を競います。縄張り争いでどちらも傷つくことなく、すぐに勝負が決まる闘いです。とっても合理的ですね。
・「まもる」・・・隠れる・擬態する


どこに昆虫がいるかわかりますか?
擬態する・・擬態には2種類あり、ベイツ擬態とミュラー擬態が知られています。
ベイツ擬態とは毒のない生物が毒のある生物に擬態している場合。
ミュラー擬態とは毒のある生物同士が互いに似通っている場合です。


オレンジ色が有毒で、その他はオレンジ色の生物に「擬態」しています。
・「増やす」・・卵のケースを作る・求愛する

シリアゲは、オスがメスにプレゼントして求愛します。
・イグノーベル賞受賞・トリカヘチャタテ
オスとメスの生殖器の役割が逆転して見える発見!

3-2 他の昆虫との関わり
アリの巣にまぎれ込み、エサをもらったりする昆虫の工夫がマンガで展示されていました。
第4章 昆虫の能力
「飛ぶ」
「歩く」
「泳ぐ」
「跳ねる」

後ろ脚にバネ状に折りたたまれたモーリック器官で、大きくジャンプができます。
第5章 昆虫研究室
5-1 昆虫研究者の仕事
昆虫採集をする研究者の様子が、動画で展示してありました。
5-2 採集する
採集の方法は、研究者によって色々な工夫がされています。
・あみを草むらで左右に振る→吸虫管で回収→小さな虫が採集できます


・黄色い皿にエタノールを入れて置いておく
・じょうご型ペットボトルにバナナを入れておく(ノムラホイホイと命名)→大型の虫が採集できます


・夜、白い布に光をあてるライトトラップ

などなど・・・
・昆虫採集とマナー
昆虫採集を安全に、他人に迷惑をかけずに行うために・・・
1・採集者自身を配慮
2・昆虫と自然の生態系に配慮
3・第三者への配慮
が主なマナーだそうです。
5-3 標本を作る




昆虫標本作りの参考になりますね。
5-4 コレクションを構成する

圧倒される数のコレクションでした。情熱を感じます。
研究者たちが新種を採りにマダガスカルへ向かった動画もありましたが、イキイキと楽しそうに採集する姿が印象的でした。
5-5 観察する
・ナノスーツ法など
昆虫標本の水分が抜け、表面がしわしわになってしまい観察が充分に行えないことがありました。
そこで、昆虫が生きた状態で薄い保護膜で覆い、観察できる科学コーティング技術が発明されました。
最新の技術によって昆虫の観察はより正確で精細になってきています。
5-6 研究する
大阪市立自然史博物館の学芸員である松本吏樹郎さんが新種記載され、
その新種「Dolichomitus flavicrus」 というハチの仲間のホロタイプ展示がありました。
ホロタイプとは、新種の真の基準となる標本で、最も重要なただ一つのものです。


5-7昆虫研究のこれから
・モルフォ蝶の羽の光沢のしくみを応用する
美しいモルフォ蝶の羽の光沢を解析して光沢塗料を発明しました。
他にも、蛾を解析して雨に濡れても大丈夫な防水で反射のないフィルムを発明するなど、
昆虫の研究が新しい技術に結びついていきます。
感想
楽しかったです!
子供はもちろん、大人も充分楽しめる展示内容でした。
昆虫の子孫を残すすさまじい工夫と努力に胸をうたれました。
環境に合わせて生き残っていく昆虫に学ぶことはまだまだたくさんありそうだなと感じます。
展示のボリュームに加え、駅から少し歩くので疲れますが、 それでもとても楽しめた展示でした!
混雑状況、所要時間
<混雑状況> ※平日午前
☆☆☆★★(5段階中3) ほどほどに混雑
お子様連れで賑わっていました。
にぎやかですが、一点ずつ順にというよりそれぞれ好きな昆虫を見ていくので、それほどストレスな く鑑賞できました。
入場待ち、チケット購入列はありませんでした。
<所要時間>
2~3時間ほど
ちなみに常設展も念入りに見る場合、丸1日必要だと思います。
常設展も2~3時間くらいかかりそうです。
展覧会情報
開催地
大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール(花と緑と自然の情報センター2階)
住所
〒 546-0034 大阪市東住吉区長居公園1-23
スケジュール
2019年7月13日(土)~9月29日(日)9:30~17:00 ※最終入場は16:30まで
休館日
7月16日(火)、22日(月)、29日(月) 8月19日(月)、26日(月) 9月2日(月)、9日(月)、17日(火)、24日(火)
料金
大人 1,400円(1,200円)
高大生 800円(600円)
中学生以下 無料
※()は20名以上の団体料金および前売料金(前売券は6/1~7/12まで販売) ※就学前児、障がい者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料(要証明) ※特別展入場料で、自然史博物館常設展も入場可
連絡先. 大阪市立自然史博物館
電話番号. 06-6697-6221
URL. https://www.ktv.jp/konchu
写真撮影 OK(フラッシュ不可、一部映像は撮影不可)